石垣島・与那国島遠征記

2023年5月26-28日

石垣島

羽田空港そばで宿泊

新型コロナで何度もキャンセルを余儀なくされた石垣島遠征だが、ようやく念願かなって行くことができた。しかし台風2号が発生し、またキャンセルかと思ったが、台風の速度がかなり遅くギリギリ間に合いそうだった。しかし、月曜日の帰りの飛行機が飛ばない可能性が高いため、1日短縮して2泊3日のスケジュールに急遽変更した。一週間前から天気予報ばかりを気にする日々だった。早朝の石垣直行便に乗る為に、空港に近いホテルで前泊。久しぶりの石垣とあって、なかなか寝られなかった。

観察記

久しぶりのフライト

2019年5月の那覇以来のフライトだ。平日だがほぼ満席、4年もたつと飛行機の内装もよくなり、スマホの充電器の貸出があり、便利になった。そしてゆっくり寝ようと思ったら、トイレのそばなので、シートベルト着用サインが消えたとたん、トイレ渋滞でドアの開閉音と流す音で寝られなかった。写真は横浜エリアをスマホで撮影。機内モードにしていれば自由に撮影できる。

観察記

沖縄ブルー

羽田を発ってから2時間ちょっとで沖縄上空にきた。晴れていると、南西諸島の島々を見ることができる。奄美大島を通過して、沖縄本島の大陸よりを飛行し、久米島が見えた。いよいよ石垣島がせまってきた。14年ぶりの石垣島にわくわくドキドキである。

観察記

於茂登岳(おもとだけ)

南ぬ島石垣空港に無事着陸。新しくなった空港へ初めての着陸である。旧石垣空港の時は滑走路が短く急制動をかけるため、前のシートに手で身体を抑えなければならないほどだったが、新空港は滑走路が長くなったので、そのようなことをする必要はなくなった。さて、早速レンタカーを借り、於茂登岳へ向かうが、コンビニは遠く、非常用のポテチをバックパックに入れてあるので、自販機で水分だけ買って行くことにした。山へ向かう途中の農道でオオキイロの連結が横切る。石垣に来たなあと実感。久しぶりに走る石垣は新鮮である。30分もかからないうちに、於茂登岳登山口に到着。スーツケースや大型リュックを開け、トンボ撮影モードに着替え、登山の準備をする。この原生林はハブや、ヤマビルなどが生息しているため、重装備をする。靴をどうするか悩んだが、途中沢があるのでレインブーツで登ることにし、三脚は重いので今回は車に置いていくことにした。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 70mm 1/125 F5.6 ISO 200 LrC

クロイワカトンボ

登山道入り口付近から早速現れるのがクロイワカワトンボである。とりあえずテスト撮影し前に進む。この山は結構急な登りが多い。したがって、寝不足と飛行機を降りたばかりで体調がすぐれない状態での登山となったので、結構きつい。しかも暑さと、まとわりつく湿気で体力がどんどん消耗していく。念のため持ってきたLEKIのポールが急斜面を登るのに役立った。途中ハブの出現や蜘蛛の巣があった時に役に立つのである。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/60 F5.6 ISO 200 LrC

イシガキトカゲ

登山をしていると、このトカゲに良く出会う。尻尾の青い光沢部分がとても綺麗で見とれてしまう。似たようなトカゲが本州にもいるが、石垣島に生息しているのはイシガキトカゲだそうだ。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 160mm 1/500 F5.6 ISO 400 LrC

ヒメホソサナエ

石垣島は好天続きだったせいか、恐れていたヤマビルの姿はない。むしろ登山道は乾いている。しかし、急斜面が多く寝不足の身体にはこたえる。登山道には、クロイワカワトンボやヒメホソサナエがいるが、撮影する気力がなくなるほどだ。この先どこまで行けば滝は出てくるのか、もうあきらめて引き返そうかと思ってしまうほど、このまとわりつく暑さと寝不足と空腹で気力がかなり落ちてきた。一旦休憩、座っているとヒメホソサナエがとまっているのに気付いた。それにしても誰もいない。ここで倒れたら助からないのではと思ってしまう。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 160mm 1/500 F5.6 ISO 400 LrC

諦めるか

3分くらい休憩し、登山を開始する。しかし、だんだん気持ち悪くなり、引き返そうか考えるようになった。今回の目玉であるチビカワトンボとヤエヤマトゲオトンボの撮影がメインだったが、それを諦めたくなるほどきつい状況になってきた。3時間のフライトでまだ身体の状態が戻らないのが原因なのか、寝不足と空腹が重なったのもあるのか、それとも熱中症なのか、いろいろ複合的にからんでいるのは間違えない。すると、外国人のカップルの方が降りてきた。すかさず挨拶をし、滝までどのくらいか聞いてみると、すぐそこと教えてくれた。少し気力が戻り、前へ進むと、本当にすぐそこだった。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 70mm 1/320 F5.6 ISO 100 LrC

チビカワトンボ

滝に到着し、ヤマビルがいないか確認し岩に腰をすえて休憩。登山は、時間にして30分程度だったが、長く感じた。すると目の前の岩にチビカワトンボがとまっていた。通常ならアドレナリンが爆発するのだが、そんな気力もなく、すぐに撮影はできなかった。それぐらいきつかった。しかし、滝のマイナスイオンを浴びながら休憩し、持っていたポテチを食べたら体力が回復し、気持ち悪さもなくなった。台風がなければ登山は体調が整う最後の方に予定をしていたが、急遽変更となったため、強行軍となった。500m級の山でもあなどってはいけない。それ以前に歳を考えないとダメですね。今回、広角レンズを中古で購入したので、滝をバックにチビカワトンボを撮影した。

観察記

SONY α99M2 Distagon T* 24mm F2 ZA SSM 24mm 1/125 F5.6 ISO 800 LrC

ヤエヤマトゲオトンボ

チビカワトンボが生息する源流域には、ヤエヤマトゲオトンボも生息している。石垣島の源流域は、ヤマビルが生息し、ハブがいそうで不気味である。今回ヤマビル対策としてヒル用の忌避剤とポイズンリムーバーや消毒液を装備した。チビカワトンボのオスの撮影を終え、トゲオトンボを探索すると、薄暗い場所の落ち葉の上で静止している個体を見つけた。陽がささない場所のため、レンズを開放値2.8のマクロレンズを使用するが、それでも暗い。三脚を持って登るか躊躇したが、できるだけ装備を軽くするため車に置いていったのである。したがって手持ちでがんばるしかなかった。しかし、きつい登山をし、体調がすぐれない中での手持ち撮影は、手が震え思うようにピントが合わせられない。そこで持ち手を地面に置き、ブレを最小限に抑えて撮影をする。もちろんヒルがいないことを確認しての撮影である。フラッシュを炊けば簡単だが、そこはノンフラッシュで自然の雰囲気にこだわった。オスの撮影を終え別の場所を探索するとメスがいた。メスはもっと暗い場所にいるので時間をかけるが、やはりヒルが気になって集中できない。ヒルがいないのを確認するが、小心者なのでビビりながらの撮影だった。次回、行く機会があれば通常より軽いマクロ三脚を、絶対持っていこうと思った。

観察記

SONY α99M2 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/60 F4.5 ISO 800 LrC

キノボリトカゲ

ヤエヤマトゲオトンボを撮影していると、このトカゲもちょくちょく顔をだす。かわいすぎて撮影せずにはいられない。それにしても、恐れていたハブやヤマビルがいなくてほっとしたのである。

観察記

SONY α99M2 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/125 F3.5 ISO 800 LrC

顔の翡翠色が綺麗

最後に、ずっと岩の上にいるチビカワトンボの顔面ドアップをマクロ撮影する。このトンボは全く逃げる気配がない。レンズと顔面がつきそうになっても微動だにしないのである。チビカワの顔面は翡翠色がすごく綺麗で驚いた。もう少し、いろいろな角度から撮影すればよかったと後になって後悔してしまった。登りの時は、体調が悪くなり諦めかけたが、こうして無事未観察種2種を撮影できて嬉しかった。正直、早く目的地へ行こうと焦って急いだのもいけなかったと思う。この2種は遅い時間帯でもいるので、次回来れたら、港でランチをして、体調を整えてからゆっくりきてもよさそうだ。

観察記

SONY α99M2 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/125 F3.5 ISO 800 LrC

トンボの楽園

登山開始から下山まで2時間の工程を終え、次の目的地へ向かう。石垣島への出張で何度も通った場所である。ここはおそらく20種類以上のトンボが観察できるトンボの楽園だ。撮影した種は、トンボの種別のページで見ていただけたらと思う。しかし、目の前を悠然と飛ぶトンボをピンボケの連発で撮影できなかったのがいる。オオキイロトンボとアメイロトンボだ。オオキイロは近くになかなか来ないので、こちらから近づくがゆっくりと遠ざかっていく。行動パターンも変則で置きピンでの飛翔撮影が難しかった。α99M2のハイブリッド位相差検出AFシステムで撮影しようと何度か挑戦したが、小さい昆虫では威力を発揮することができなかった。枝先にとまっているトンボをオートで撮影しても、複眼にはピントは合わず、たいがい肩や胸のほうにピントがいってしまう。したがってトンボ撮影はすべてマニュアルで行っている。さて、アメイロトンボだが、こちらは水面を高速で飛ぶので、枠に入れるのが難しい。置きピンでの連写を何度も試みるが、全てピンボケ。もう少し遅い時間だと、ホバリングするのでその時が狙い目だったかもしれない。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/1600 F5.6 ISO 200 LrC

迷入種なのか

今回、ナンヨウヒメハネビロトンボが撮影できて良かった。前に撮影した、ヒメハネビロトンボの写真に混じっていて、写真整理するまで気が付かなった種である。迷入種として扱われているが、こうやってまた生息確認できると、定着しているのではと思ってしまう。この場所ではヒメハネビロトンボもいるので、撮影したあとカメラで翅を拡大して確認作業をする。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/400 F5.6 ISO 400 LrC

あなどれない

石垣島の農業用水路の周辺もトンボにとっては最高の環境だ。細い流れではアカナガイトトンボやアオモンイトトンボ、コフキヒメイトトンボなどが生息している。今回、コフキヒメをマクロ撮影したかったが確認できなかった。その代わり、水溜では、ベニトンボに混じって、アカスジベッコウトンボを見ることができた。未観察種だったので、思わず1人で叫んでしまった。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 70mm 1/320 F5.6 ISO 200 LrC

アカスジベッコウトンボ

石垣島では、すでに定着しているとのこと。以前は一度も見ることがなかったトンボだ。それにしてもトンボの種類が多いので撮影するのに目移りしてしまう。したがって集中できないので、どれも証拠写真程度になってしまう。遠征前には、種類がいるので目移りせずに撮影しようと肝に銘じていたが、現地に来るとダメである。やはり短期決戦では厳しいものがある。一か月くらいゆっくりと滞在できればいいのだが、それは定年後の夢だな。さて、お腹もすいたので本日の撮影は17時半で終了とした。そういえばポテチ以来何も食べずに観察をしていたのでバテバテだ。市内でちゃんぷる定食をいただきホテルへと向かった。さすがに初日から無謀な撮影行脚となったので、明日の与那国島に備えなければと思い、早めに就寝した。

観察記

SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/1250 F5.6 ISO 200 LrC

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