道北遠征2日目
朝ごはん
早朝6時に温泉に入り、6時半に朝食をとり、7時にチェックアウトと、朝から忙しい一日が始まった。天気は快晴で、風も昨日より収まったように感じられる。早速北上し、目的地へと向かう。
北緯45度
天塩川を渡り、壮大な風車の横を走り抜けると、北緯45度のモニュメントがある。天気が良いので利尻山をバックに撮影した。
日本なのか
信号も電柱もない真っ直ぐな道路をひたすら北上する。景色があまりに素晴らしくて、走っては止まり、また走っては止まって撮影を繰り返すため、なかなか目的地に到達しない。
北海道ならでは
こんな景色が見られるのは、北海道ならではだろう。相変わらず途中下車が続く。
謎のエゾトンボ
ようやく目的地に到着し、観光モードからトンボ探索モードに切り替える。朝早いためか、飛んでいるトンボの姿は見られない。歩いていると、赤トンボが飛んだ。何のアカネか確認すると、アキアカネだった。飛来種がいるのではないかと思い、見かけたトンボはすべて撮影することにした。それにしても、北緯45度とは思えない陽気だ。散策していると、ルリボシ系のトンボが見えた。飛翔撮影を試みようと準備をしていたら、逃げられてしまった。しかし、金緑色のトンボがやってきて、縄張り飛翔を始めた。エゾトンボと思いながら飛翔撮影をしていると、草に止まった。遠目から望遠レンズで撮影し、尾部付属器を拡大してみると、くぎ抜きのような形をしていたため、一瞬ホソミモリトンボかと思ったが、自分の中では8月末頃に終息してしまう種だと思い込んでいたので違う種だと思った。
まさかのホソミモリ
何枚か撮影し、息子にメールで同定をお願いした。日が昇るにつれてエゾトンボの個体数が増えてきた。さすが北海道だと感じた。アカネ系のトンボも活動を始め、時折ルリボシ系のヤンマも飛んでくる。こうなると、どのトンボから手を付けるべきか迷いが生じ、結果としてダメな写真を連発してしまう恐れが出てくるため、目の前のエゾトンボの飛翔撮影に集中した。その後、息子から返信が届き、ホソミモリトンボである可能性が高いとのことだった。これを聞いて、アドレナリンが一気に爆発した。まさかのホソミモリがこんな所にいるのかと思い、北海道では本州の既成概念を捨てないといけないと思った。
ヒメリスアカネのメス
所狭しと止まっているアキアカネの中に、変わったトンボが混じっていた。ヒメリスアカネのメスがいたのだ。アキアカネの中にヒメリスアカネのオスが混じっていないか散策したが、このメス以外は見つからなかった。
別の場所へ
午後1時にはここを離れなければならないため、気になっていた別の場所へ移動。散策するまでもなく、いきなりホソミモリが現れた。低い位置をゆっくり飛んでおり、飛翔撮影はしやすかったが逆光で良い写真が撮れなかった。しかし、目的のトンボを探すために数枚撮影して移動しようとしたところ、大型のトンボが現れた。アドレナリンがふつふつと湧いてきた。
イイジマルリボシヤンマ
ゆっくりと飛んでいるものの、動きが不規則なため飛翔撮影がなかなかできない。今回はトンボの調査目的も兼ねているため、種別確認のために捕獲してみると、憧れのイイジマルリボシヤンマだった。成熟しており、全身ブルーの斑紋が非常に美しい。木に止めて演出撮影を行うが、手が震えてくる。それでも、うまく手を放して撮影をすることができた。この時期にイイジマルリボシヤンマまで観察できるとは思っていなかった。暖冬の影響か、昼近くになると暑くなり、シャツは汗でびっしょりだ。
キトンボ
イイジマルリの撮影を終え、他のトンボを散策していると、翅が黄色いトンボが止まっているのを見つけた。もしかしてと期待が高まり、アドレナリンが再燃した。まさかのエゾアカネかと思いながら撮影してみると、キトンボだった。一気にアドレナリンが消えがっかりした。地元ではキトンボを目的に遠征している種なのに、予想外の結果に落胆してしまった。散策を続けると、キトンボのオスも結構見られた。
ヤンマのオベリスク?
探索を続けていると、大型のトンボが摂食飛翔をしている。飛翔撮影をしようとしたら、突然急降下してきて、目の前の地面に止まった。こんなに近くで地面に止まるのを見られるとは思わず、興奮した。腹部の模様がマダラ模様だったため、ひょっとしてイイジマルリのメスかもしれないと思い、撮影を開始。食事中のようで、近づいても逃げる様子はない。このようなチャンスは滅多にないので、慎重に撮影を続けた。すると、突然風が吹き始め、トンボが浮き上がってきた。次第にオベリスク態勢になり、非常に面白い光景となった。風の勢いが増すにつれ、最終的には倒立状態にまでなった。このような写真が撮れるなんて、運が良すぎると思った。
オオルリボシのメス
そろそろ出発しなければならないため、車がある場所へ移動していたら、大型のヤンマが草に止まった。近づいて撮影してみるとオオルリボシのメスだった。イイジマルリばかり気にかけていたのでオオルリもいたんだと思った。
また地べたに止まる
オオルリの撮影をさくっと終え、車に近づくと、またヤンマが地面に止まった。今度はオスだ。遠目から望遠で撮影して確認すると、イイジマルリのオスだった。それにしても、イイジマルリはよく地面に止まる。ここまでよく地面に止まるヤンマを見たことがなかった。他の方が撮影された写真はホバリングしているものばかりで、地面に止まる写真はほとんど見当たらない。したがって、こんな光景が見られるとは想定外だった。それにしてもイイジマルリのホバリングシーンは全くなく、地べたに止まるイイジマルリの珍しい写真ばかりとなってしまった。
名残り惜しい
車に撮影機材を積み、着替えて出発しようとしたところ、またイイジマルリのオスが車の前に止まった。本当に地べたが好きなのか、それとも気温や時期が関係しているのかわからない。こんな良い環境を発見できたのは嬉しいが、時間が足りない。帰省の合間に訪れるような場所ではないことがわかった。後ろ髪を惹かれる思いでこの場を去った。ここから留萌まで、オロロン街道をひたすら南下する。
しじみラーメン
天塩を出ると昼食難民になってしまうので、「道の駅てしお」でランチをすることにした。やはり、天塩に来たらしじみらーめんを食べたかった。食券を買って待っていると、来店するお客さんは皆しじみらーめんを注文していた。北海道と言えばらーめんだが、地域によって特産ラーメンがあるのも楽しみの一つだ。
オロロン街道
「道の駅てしお」から日本海側の海岸線、「オロロン街道」を110km走る。海岸線に出る前に牧場があり、北海道らしい牛たちがいたので思わず途中下車。日本海の海は荒波で白いしぶきが舞っている。
ビオトープ
信号のない道路をひたすら走り続け、羽幌町に入った。少し時間ができたのでビオトープに寄ってみた。池の周囲はマユタテアカネとアオイトトンボがいるだけで他の種はいなかった。土手のほうはアキアカネだらけ。10分程度の散策で終了した。
居酒屋将軍
留萌市に入り、時間通りに叔父の家に到着した。高校生の時に家族で訪れて以来、42年ぶりの訪問。子供の頃は毎年夏休みに訪れていたため、非常に懐かしい気持ちになった。コロナ禍になる前に訪れる予定だったが、コロナの影響で叶わず、ようやく生まれ故郷の街に来ることができた。早速、市内の居酒屋「将軍」で、昔話に花を咲かせながら、留萌の海の幸を存分に楽しんだ。(写真左上「カニみそ」、写真右上「ほっけのフライ」、写真左下「ほたて」、写真右下「特上にぎり」)
富丸
居酒屋で海の幸を堪能したあと、叔父の家で二次会を楽しみ、深夜まで過ごした。久しぶりに飲みすぎてしまったが、こんなに歓迎されるとは思ってもいなかった。たまには生まれ故郷に帰ってこなければと、しみじみ感じた。翌日、留萌の有名店「富丸」で海鮮丼を堪能した。日本海の新鮮な魚介を、元漁師が作っているため、味は格別だ。本当に北海道の海鮮は美味しすぎる。
旭川
叔父も叔母も高齢のため、元気なうちにまた会いたいと思った。私は留萌で生まれたが、1歳のときに旭川に引っ越し、高校卒業まで過ごした。すでに父も母も他界しているため、なかなか会う機会を作ることができなかった。これまでトンボの観察は南の方ばかりだったが、6月の帯広遠征をきっかけに火がつき、帰省も兼ねて道北への遠征を計画した。天気にも恵まれ、想定外の種を観察できたこともあり、とても満足のいく遠征となった。しかし、旭川空港から飛び立ち、旭川の街を空から眺めていると、なぜか悲しい気持ちになってしまった。

