- 【科】モノサシトンボ科
- 【属】グンバイトンボ属
- 【和名】グンバイトンボ
- 【学名】Platycnemis sasakii
中足と後足に白い葉みたいなものがついているのが特徴。実はこの葉みたいなものが、相撲の行司が持つ軍配みたいに広がっていることから、この名前がついた。関東から西の本州、四国、九州に分布し、生息場所は極めて局地的。丘陵地の湧水が出るような、きれいなゆるやかな清流に生息している。5月下旬から8月上旬ころまで見られる。
オス ♂
2022/6/19 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/640 F5.6 ISO 200
2013/6/25 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 1/400 F5.6 ISO 200
2013/6/25 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 1/320 F2.8 ISO 200
メス ♀
2022/6/19 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 135mm 1/800 F5.6 ISO 200
2013/6/25 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 1/400 F4.0 ISO 200
2013/6/25 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 1/400 F2.8 ISO 200
連 結
2022/6/19 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 300mm 1/500 F5.6 ISO 200
産 卵
2022/6/19 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 180mm 1/800 F5.6 ISO 200
観 察 記
2022年6月19日 久しぶりのグンバイ
梅雨時期の天気は気まぐれである。今年の観察スケジュールにグンバイトンボ観察の日は6月19日の日曜日ということにしていた。一週間前の天気予報では曇り雨、前々日までもその予報は変わらなかった。しかし前日、予報がずれて日曜日が晴れ曇りになり、なんと絶好の観察日和になりそうな雰囲気になった。そして、朝目覚めて窓を開け、外を見ると快晴である。なんと運がいいんだ。定刻通りに自宅を出発し、予定通りに現地に到着。結構早く着いたのでコヤマトンボの飛翔撮影を頑張る。すると足元に青いイトトンボがすーっとやってきた。最初、セスジかなと思ってよく見たら、ホソミイトトンボではないか、とうとう北関東にも進出してきたか。温暖化の影響なのか、生息域がどんどん北上している。地元のよく行くビオトープにも今年からホソミイトトンボが出現した。以前はホソミイトトンボの観察にずいぶん労力と費用をかけたが、今更ながらがっかりである。さて、他のトンボの観察を終え、そろそろ本命のグンバイトンボを探す。9年前はすぐに見つけることができたが、探索してもその姿はない。範囲を広げてくまなく探すが全くその姿はない。少し嫌な予感がしてきたが、まだ時間はたっぷりあるのでコヤマトンボの飛翔撮影を再開する。飛ぶルートがあらかたわかっていて置きピンで連写するが若干のブレがある写真ばかりである。そうして悪戦苦闘していると中型のイトトンボぽいのが現れた。独特な飛翔をするので、すぐにグンバイトンボとわかった。いてくれてホッとした。しかし撮影しようと近づくがなかなか止まってくれない。追いかけっこをしているうちに見失ってしまった。でもまた来るだろうと楽観的になりコヤマトンボの飛翔撮影をまた再開する。しかし、気が付くともうお昼になっている。グンバイの産卵タイムである。しかしその姿はなし、もう一度範囲を広げて探索するが全然いない。そして先ほどオスが現れた場所をもう一度覗くと、なんとオス・メス連結隊が現れた。よっしゃー、と心の中で叫び念願の産卵シーンを撮影することに成功。水面ギリギリまでカメラを下げての撮影なので、もちろんおけつは濡れてしまった。本来、河原の撮影はウェダーを履くのだが、昨年メンテナンスをしていたらソールが剝がれ、靴底に穴もあり使い物にならないので捨ててしまった。したがってレインブーツでの撮影だった。こんなきれいな清流なので着替えもあるので、多少濡れてもおかまいなし。せっかくのチャンスなので撮影に没頭したのである。
2013年6月25日 雨から晴れへ
無性にグンバイを撮影したくなったので、4年ぶりに生息地へ向かう。前日の天気予報は雨が降るとのこと、それでも山間の天気は逆もありうると思いいざ高速へ。しかし、いきなり雨が降ってきた。にわか雨だからやむだろうと思い、そのまま目的地へ向かった。すると晴れてきた。こういう天気は局地的だから現地に行ってみないとわからない。せっかくの平日休みだから、引き返すという考えはなかった。現地に到着すると、すぐにオスが出迎えてくれた。しばらくオスと遊んでいると、メスがいないことに気づく、たいがいメスは、オスと違い水辺から離れたところに隠れていたりする。案の定、離れたところにメスはいた。そして、昼が過ぎたころ、いつの間にかメスが増えていた。ひょっとして産卵シーンを撮影することができるかも、勘はあたり連結態が集まってきた。ちょっと待って、まだ準備が、こんなチャンスはなかなかない。上からの撮影はまったくつまらない写真であるので、真横から撮りたい、水が多く深い、でも水も綺麗だし、ゴム長ぎりぎり。しかし、撮影中に浸水してきた、それでもふんばる。今日は、川原の撮影とあって、着替えとサンダルを持ってきて正解だった。しかし、連結態のオス・メス両方になかなかピントがあわない。しかも水面すれすれにカメラを持っているので、腰や首がきつい。ゴム長は満水になってしまった。さすがに歳のせいか根負けしリタイア。掲載している産卵の写真は、数あるなかで一番よく撮れた写真。残念ながらメスにはピント合わず、水面すれすれで両方にピントを合わすのは難しかった。
2009年7月5日 ルーズソックスのよう
軍配を1cmマクロで撮るのが楽しみだった。白い葉に見えるが、かえって目立つような気がする。かつて、女子高生が履いていたルーズソックスに見えてしまう。昆虫は自分の身を守るために擬態化したりするが、この軍配も擬態の一部なのか、トンボの中でこのようなものがついているのは珍しい。それゆえ撮影するのが楽しいトンボでもある。山間の清流の草竹の間をぬうように飛んでいる姿に見とれてしまう。