ホソミイトトンボ

  • 【科】イトトンボ科
  • 【属】ホソミイトトンボ属
  • 【和名】ホソミイトトンボ
  • 【学名】Aciagrion migratum

ホソミイトトンボはその名のとおり、腹部が細長いイトトンボ。イトトンボは、腹部が糸のように細いから糸トンボと名がついている。しかし、このトンボは細くて長いのである。そして実に不思議なトンボで、越冬型と夏型の2型が存在する。越冬型は、秋に羽化して越冬する。翌年の春交尾・産卵する。夏型は、初夏に羽化して秋に没する。しかも、秋には越冬型と混在し、別型同士で交尾・産卵もするとのこと。平地や丘陵地の挺水植物が繁茂している湿地や滞水・水田などに生息し、羽化した個体は水辺を離れ、丘陵地の雑木林の中で隠れて生活をする。日本特産種で、新潟県および栃木県以南より鹿児島県まで生息。オス・メスとも、眼後紋がつながっているのが特徴的。腹部は細くて長い。越冬型は色づくと、とても鮮やかなブルーになる。

オス ♂

越冬型

ホソミイトトンボ

2010/5/2 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/250 F8.0 ISO 200 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2010/5/2 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/250 F8.0 ISO 200 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2009/8/13 - Canon IXI DIGITAL800 IS 5.8mm 1/60 F2.8 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2023/8/28 - SONY α99M2 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/50 F2.8 ISO 100 LrC

メス ♀

越冬型

ホソミイトトンボ

2022/5/4 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 200mm 1/2000 F5.6 ISO 400 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2023/5/5 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 200mm 1/500 F5.6 ISO 100 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2019/8/18 - SONY α55 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/1250 F2.8 ISO 400 LrC

越冬型

ホソミイトトンボ

2023/8/28 - SONY α99M2 SAL100M28 100mm F2.8Macro 100mm 1/50 F2.8 ISO 100 LrC

交 尾

越冬型

ホソミイトトンボ

2023/5/4 - SONY α99M2 SAL70-300mm F4.5-5.6 G SSMⅡ 280mm 1/640 F5.6 ISO 100 LrC

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観 察 記

2024年4月13日 勢力拡大中

今年は遅いシーズンインとなった。休みと天気がかみあわない日が続いていた。桜の開花も3月の天候不順により開花が遅れ、トンボも若干遅れている感じだ。今日は、快晴で最高気温が24度の予想ということでトンボ観察日和である。さてムカシトンボの羽化狙いで目的地へ行き、渓流域を登山しながら散策するが、羽化殻もなく気配もなし。途中ホソミイトが2頭ほどいたが、ムカシトンボの姿はなかった。まだ時期が早かったのかなと思い、その場を離れ、別の場所へ移動。例年トラフトンボを観察する池に到着。池の周囲のヨシ原はきれいに刈られイトトンボの観察がしやすい状況になっていた。すると細長い青い物体が目についた。ホソミイトトンボである。今年最初のトンボ撮影はホソミイトトンボだた。それにしても、どこにでもいる感じがしますね。ここまで勢力拡大をしているとは恐るべし。

観察記

2023年5月4日 北上し続けている

晴天のGW。高速道路は帰省渋滞しているので、下道で栃木の山奥へ向かった。クロスジギンヤンマの飛翔撮影とクロサナエの撮影目的だったが、池の水草が全くなく、8年前に訪問した時、普通に飛んでいたクロギンの姿はなかった。その代わり、ホソミオツネントンボとホソミイトトンボが数頭いた。正直この山奥の池でホソミイトトンボに出会うとは思ってもいなかった。昨年、この場所より南へ10kmほどの流れで見たので、どんどん北上していってる。温暖化の影響か、近いうちに東北方面で見られる日も、そう遠くはないかもしれない。

観察記

2019年8月18日 真夏の撮影

以前は、ホソミイトを探しに千葉県南部や神奈川まで車中泊までして必死になって探していたのだが、埼玉西武地区であちらこちらで出没しているとのこと。地球温暖化の影響だろうか。久しぶりに友人と一緒に現地を探索。すぐに草むらで未熟個体を見つけることができた。まだ羽化したばかりの個体が数頭いた。しかし、河原では家族連れが水遊びして楽しんでいる。このくそ暑い中、ゴム長履いて長袖でカメラを持っている我々はどいうふうに見られているのか。

観察記

2016年6月1日 風がにくい

埼玉でホソミイトが生息しているとの情報がはいる。初夏の清流域に久しぶりに訪れる。越冬型もそろそろ終盤とのことで出会えるか不安であった。アオハダがたくさん出ているなか、ホソミイトの姿はない。やはり、もう終わってしまったか、しばらくアオハダと遊んでいると、すーっと青い物体が横切る。ホソミイトだ。しかし風が強い中、なかなかとまらない。しばらく様子見、ようやくとまった。しかし風で草が揺れる揺れる、マクロなのでかなりきつい。風の落ち着いた瞬間にシャッターを押そうと構えるが、その瞬間に移動されてしまう、正直根負けしてしまった。せっかくの埼玉産が撮影できないなんてと悲しい。しばらくアオハダと遊んでいると、さっきのが現れた。そしてようやく1枚だけ撮れた。それにしても風が憎い。

観察記

2010年5月2日 うれしい誤算

カワトンボの撮影で訪れた場所に、このトンボはいた。全く想定していなかったのでびっくりである。あれだけ、このトンボを目的に探し回ったのに、思わぬ副産物に驚きである。カワトンボを撮影していると、なんだか水色のきれいなイトトンボが目の前を横切る。それにしても腹部が長い。しかも数頭いたので驚きである。越冬した固体が水辺におりてきたんでしょう。こんな嬉しい誤算があるから、トンボ観察はやめられない。

観察記

2009年8月13日 5度目の探索で発見

今までいろんな種を撮影してきたが、これほど会いたいと思って会うのが困難なトンボはいなかった。本種は生息地へ行ったからといって容易に観察することができなかった。最初は2006年、千葉県の生息地で空振り。2007年、家族旅行で千葉の海に行く途中に生息場所へ寄ったがまた空振り。2008年は車中泊までして神奈川遠征したが空振り。2009年8月、千葉県でまた空振り。しかし、ようやく5度目で見ることができた。知人から詳細な場所を教えてもらい、息子と手分けして探す。しかし、2時間探しても全くその姿を発見することができない。水辺のほうも探してみるが、いるのはオニヤンマとオオシオカラトンボだけ。そして最後、探索していなかった茂みに、いちるの望みを託し覗いてみるといた。3年ごしで探していた本種に巡り会え、車中泊の疲れも一気にふっとんだ。羽化した成虫は水辺を放れ茂みに隠れていたのである。この時期は水辺を探してもいないわけだ。とはいえ、広大な敷地の茂みを全部探すのは困難であり、運が必要である。

観察記