【科】イトトンボ科

【属】ホソミイトトンボ属

【和名】ホソミイトトンボ
【学名】Aciagrion migratum

 

ホソミイトトンボはその名のとおり、しっぽが細長いイトトンボです。イトトンボ自体、腹部が糸のように細いから糸トンボとついたのですが、さらにわをかけて細い。このトンボは実に不思議なトンボで、下記の2型が存在します。

【越冬型】秋に羽化した個体は越冬して、翌年の春交尾・産卵する個体群

【夏 型】初夏に羽化して秋に没する個体郡

しかも秋には混在し、別型同士で交尾・産卵もするとのことで、わけがわからないです。平地や丘陵地の挺水植物が繁茂している湿地や滞水・水田などに生息し、羽化した個体は水辺を離れ、丘陵地の雑木林の中で隠れて生活をしています。日本特産種で新潟県および栃木県以南より沖縄諸島まで生息してます。

 

 

眼後紋がつながっているのが特徴的です。腹部は細くて長いです。越冬型は色づくと、とても鮮やかなブルーに変身します。

 

越冬型

2010年5月2日撮影

 

越冬型

2010年5月2日撮影

 

夏型は越冬型と比べ、やや小さめ。色も少しくすんだブルー系です。初夏に羽化し、秋には残念ながら没してしまう、越冬しない型です。

 

夏型

2009年8月13日撮影

 

夏型

2009年8月13日撮影

 
 

埼玉でホソミイトが生息しているうわさを聞き、現地へ。初夏の清流に久しぶりに訪れる。越冬型もそろそろ終盤とのことで個体数が減っているので出会えるか不安であった。アオハダがたくさん出ているなか、ホソミイトの姿はない。やはり、もう終わってしまったか、しばらくアオハダと遊んでいると、すーっと青い物体が横切る。おーっつ、いたーっ。埼玉産ホソミイト。しかし風が強い。なかなか止まらない。そして、しばらくほっておくと、ようやく止まった。しかし風で揺れる揺れるマクロなのでかなりきつい。風の落ち着いた瞬間にシャッターを押そうと構えるが、その瞬間に移動されてしまう、正直根負けしてしまった。せっかくの埼玉産が撮影できないなんて、とアオハダと遊んでいると、さっきのが現れた。そしてようやく1枚だけ撮れた。それにしても風が憎い。

(2016.6.1)

 

カワトンボの撮影で訪れた場所に、このトンボはいた。全く想定していなかったのでびっくりである。あれだけ、このトンボを目的に探し回ったのに思わぬ副産物に驚きである。カワトンボを撮影していると、なんだか水色のきれいなイトトンボが目の前を横切る。それにしても腹部が長い。えっ!ホソミイト?しかも数頭いたので、越冬した固体が水辺におりてきたんだと思いました。こんな嬉しい誤算があるから、トンボ観察はやめられない 。

(2010.5.2)

 

ようやく会うことができた。今までいろん種を撮影してきたが、これほど会いたいと思って会うのが困難なとんぼはいなかった。本種は生息地へ行ったからといって容易に観察することができなかった。(関東圏)最初は2006年、ネアカの観察ついでに目星をつけていた生息地へ行ったが全くその姿はなかった。2007年は家族旅行で海に行く途中に生息場所へ寄ったがまたまた空振り。2008年は別の場所に車中泊までして遠征したが空振り。2009年8月に出会う前に同じ場所へ行ったが空振り。しかし、5度目のリベンジで、車中泊にて再度計画を続行。早朝のネアカ観察を行い、7時にホソミ生息地へ移動、息子と手分けして探す。しかし、2時間探しても全くその姿を発見することができない。水辺のほうも探してみるが、いるのはオニヤンマとオオシオカラトンボだけ。そして最後、探索していなかった茂みにいちるの望みを託し覗いてみると、いたっ、ようやくいたーっ、無線で息子呼び、3年ごしで探していた本種に巡り会え、車中泊の疲れも一気にふっとんだ。最初に息子に撮影をさせ、そのあと私が撮影、そして2匹目がいないかまわりを探すが全く見あたらなかった。撮影できたのは夏型で、羽化した成虫は水辺を放れ茂み隠れている。この時期は水辺を探してもいないわけである。とはいえ、広大な敷地の茂みを全部探すのは困難であり、運が必要である。しかし、このトンボの行動パターンが読めてくれば次回はこんなに苦労はしないはずと思うのは浅はかなのかな。

(2009.8.13)