【科】イトトンボ科

【属】モートンイトトンボ属

【和名】ヒヌマイトトンボ
【学名】Mortonagrion hirosei

 

海岸に近い泥深い腐植栄養型の湿地や沼・川などに生息していますが、極めて個体数が少なく絶滅危惧種に指定されている大変貴重なトンボです。雄は眼後紋が4個、背中にも4個の紋があり大変きれいなイトトンボです。雌の若い個体は、オレンジ色をしており、成熟するにつれ若草色になります。アジアイトトンボやアオモンイトトンボと同じです。6月初旬から出現し9月近くまで見られる、小型のイトトンボです。1971年に茨城県涸沼で最初に発見され、その生息地の名がそのままつきました。

 

 

写真のように背中の4個の紋が特徴となっています。電気を消すと光そうな感じがしますが、水辺に繁茂しているヨシや側の陸地の低い草丈の間をぬうように飛び回っています。特に晴れた日の午前中は活発に動きまわっています。

 

 

2017年7月5日撮影

 

 

2017年7月5日撮影

 

 

2017年7月5日撮影

 

 

雌の未熟はアジアイトトンボやアオモンイトトンボと同じくオレンジ色をしています。頭部の黒い紋が特徴的です。生息地にはアオモンイトトンボもいますので、雌の未熟がいた場合、黒い紋で見分けがつきます。アオモンのほうが大きいく、アオモンにやられてしまうヒヌマも少なくないそうです。

 

未成熟

2017年7月5日撮影

 

成熟

2017年7月5日撮影

 

 

 

2017年7月5日撮影

 

 

2017年7月5日撮影

 

 

10年前はコンデジでの撮影だった。一眼で撮りたくて現地へ向かう。台風一過で風や波が心配だったが、予想をくつがえすほど穏やかだった。しかし陽が出ると暑い!早速ゴム長をはき水辺でのしゃがみ撮影に備える。水面ぎりぎりを飛び回り、ヨシの中へ隠れてしまう。根気勝負の撮影開始である。しょっちゅう来れるわけではないので、一度に交尾や産卵も狙いたいと欲張ってしまう。しかしそんなには甘くない。10年前にきたときよりも個体数が少ない、結構すばしっこいので見つけても撮影までいかない。しばし追っかけっこが続く、そんなこんなで3時間も粘り、いろいろと写真が撮れた。一つの種類にこんなに時間をかけて撮影することはあまりないのだがヒヌマは別格、満足するまで粘ってしまうのである。しかししゃがみ撮影の連続で足腰がかなりやばくなってしまった。そしてこの暑さ、熱中症になりかけてしまった。すぐに車に戻りクーラーをかけ水分補給、10分ほど休憩し、身体が落ち着いた。炎天下の撮影は適度にクールダウンしないと危険です。

(2017.7.5)

 

あれから5年がたち、なんとなく時間があき、ダメもとで違う場所でヒヌマを探してみた。するとようやく念願のヒヌマイトトンボに巡り会うことができた。背中の4つの星がとても輝いて見えた。誰もいない自分だけのフィールドで感慨にひたりながら撮影をするひととき。これだからトンボ観察は辞められない。自然を相手に宝探しをしているようだ。

(2007.6.17)

 

2002年から毎年、夏休みに家族旅行で涸沼いこいの村へ1泊2日で行っていた。トンボ観察図鑑をたちあげた最初の年に念願の絶滅危惧種であるヒヌマイトトンボの撮影に期待をしていた。涸沼に行けば必ずみれるだろうと、いこいの村には人工のビオトープがありヒヌマイトトンボの池という看板まである。翌日の早朝行けば必ずいるだろうとたかをくくり家族と旅行を楽しんでいた。そして早朝、少しだけ時間をもらい観察に行く。まずはアオモンイトトンボが葦にたくさん群がっていた。そしてその中にオレンジ色の物体。おーっ、早速ヒヌマの雌未熟を発見。そして撮影に燃えまくる。そしてチェックアウトの時にフロントのかたにヒヌマの撮影ができた旨自慢、フロントの人は最近は見たという話は聞かないとのこと。そして家に帰り図鑑であらためて確認すると、それはアオモンの雌未熟だった。ガーン、駆け出しの未熟なトンボ野郎にはかなりのショックだった。

(2002.8.14)